メークアップレッスン MENU
テーマ |
概略 |
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A |
肌について |
皮膚の働きと美容について |
皮膚の基礎知識 |
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B | メークアップ前準備 | メークアップを落とす | クレンジング |
肌の汚れを落とす 化粧を落とす |
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洗顔 | ||||||||
クレンジングと洗顔の併用 | ||||||||
クレンジング前の準備 | ||||||||
クレンジングの手順 | ||||||||
メークアップ前準備 | トーニング | メークアップの下準備 | トナーとカウンセリング | |||||
化粧水 | 化粧水の技術手順 |
肌に潤いを与える肌を引き締め、化粧崩れを防ぐ |
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メークアップベース | 下地クリーム |
肌を保護し化粧効果を高める 肌に潤いを与える |
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モイスチャーライザー | ||||||||
ナイトクリーム | ||||||||
アイクリーム | ||||||||
首用クリーム | ||||||||
下地クリームの技術手順 | ||||||||
C | ベースメークアップ | コントロールカラー | 肌の気になるくすみ、赤み黄みなどをコントロールして肌色を仕上げる | |||||
ファンデーション | ファンデーションの色 | 肌色と肌の質感をつくる | ||||||
ファンデーションの技術手順 | ||||||||
フェイスデザイニング | フェイスデザインイニングに於ける、 ファンデーション技術手順 |
陰影の表現により立体感を出したり、無くしたりする | ||||||
パウダー |
油光やテカリを押さえる ファンデーション崩れを押さえて、化粧のもち良くし 仕上がりの肌の質感に変化をつける |
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D | 色と光とメークアップ | 光とメークアップ | 色と光の関係 | |||||
フィルム撮影とメイクアップカラー | 色温度 | 撮影における色の変化 | ||||||
ネガフィルムとポジフィルム | ||||||||
各種光源とカラーフィルムの関係 | 各種光源の働きとカラーフィルムにおける色の変化 | |||||||
照明と色 | 舞台照明における色の変化 | |||||||
E | ポイントメークアップ | 1 | アイ | アイブロー | 眉の位置 | 基本的な眉の整形と描き方 | ||
眉のデザイン | ||||||||
眉の整形 | ||||||||
眉を描く | ||||||||
Ⅰ アイライナー | 上ライン |
目の形を整える 目の形を変える |
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下ライン | ||||||||
ラインの太さと長さ | ||||||||
アイラインの色 | ||||||||
アイラインのポイント | ||||||||
Ⅱ アイカラー | アイカラーの種類 | 目元に立体感を与え、 様々な表現を演出する |
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アイカラーのポイント | ||||||||
アイカラーの位置と形 | ||||||||
Ⅲ マスカラ | マスカラリムーバー |
まつげの整形 様々なまつ毛による |
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ビューラー | ||||||||
マスカラの技術手順 | ||||||||
Ⅳ アイラッシュ |
アイラッシュの技術手順 |
つけまつ毛 植え込みまつ毛による、 目元の表現 |
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2 | リップ | 口紅の種類 |
唇の形を整える様々な色、形による表現 |
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リップパレット | ||||||||
唇の表現 | ||||||||
口紅の技術手順 | ||||||||
3 | チーク | チークの色とタイプ | 頬の色味を整える | |||||
チークの位置と形 | ||||||||
チークのグラデーション | ||||||||
F | バランスメークアップ | フェイスバランス | メークアップチェック |
全体のバランスをとる イメージバランスをとる |
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メークアップデザイン |
メークアップアーチストとして働くにあたって、基本的諸注意を下記に示します。
- ① 手や指先は、いつも清潔に
- ② 爪を伸ばしすぎない
- ③ 口臭(食事後など)、指臭(喫煙者は得に注意)は消しておく
- ④ 動きやすい服装を選ぶ
- ⑤ 原色の鮮やかな服装、反射光の出る服装・アクセサリーは避ける(カメラマンによっては、色の反射を気にする)
- ⑥ 脱いだり履いたりが簡単に出来、足音の出ない靴を履く(同録の場合がある)
A 肌について
メークアップアーチストには、ある程度の 肌に対する基礎知識が必要です。アーチストにとって キャンバスである 皮膚の働きを知ることは、これからメークアップ技術を 自由にあやつり 表現する為には、欠かせない知識です。それでは、皮膚の仕組みはどのようになっているのでしょう。
全身を被う皮膚は、一見大きな一枚の皮のように思えますが、その組織は 想像以上に活動的であり複雑なものです。肌は、表皮、真皮、皮下組織の三つの部分で成り立っています。まず 表皮があり、ここは 皮膚の一番外側0.1~0.2mmの部分で、生きた細胞と死んだ細胞が重なり合っています。最上部の角質層はケラチンからなる保護膜で、死んだ脂肪組織がうろこ状に並んで外界の刺激に抵抗し、下の層の水分損失を防いでいます。また角質層は、下の生きた細胞層によって支えられて、これらのバリアーが 水分の損失やバクテリアの侵入を防いでいます。
表皮の一番下にある基底層は、常に細胞分裂を行い 徐々に上へ押し上げられ だんだん形を変えて14日で最上層の角質層へと達します。ここで役目を終えた細胞は、最後に皮膚の表面から剥がれ落ちてゆきます。これを皮膚の新陳代謝、スキンサイクルと言います。基底層から角質層までの再生過程は、およそ28日間で ダメージを受けた肌もこの間に新しい健康な細胞に代わります。細胞は常に同じ様に再生しているわけではありません。1日2回の成長ピークがあり 早朝と夜11:00~3:00ぐらいが特に活発です。スキンサイクルは、年齢、体質、紫外線など様々な影響により、それが40~60日へと大幅に遅れてしまう事があります。本来ならば剥がれ落ちるはずの角質が皮膚の表面を被い、正常なスキンサイクルを妨げ、老化角質が厚くなり 皮膚からハリとツヤが失われてしまい、全体にくすみがちになります。
表皮の下は真皮と呼ばれ、大部分がコラーゲンとエラスチンで構成されています。コラーゲンは水分を保ち、エラスチンは弾力性を持っています。どちらも繊維性のたんぱく質の一種で、肌のハリやみずみずしさを保っています。色々な顔の表情に対応できるのも、これらの働きによりますが、年齢を重ねるにつれて機能が低下し、シワやたるみ顔の輪郭に変化が現れてきます。
真皮の下の皮下組織には、皮下脂肪があり 肌をふっくらさせて弾力性を与えています。この皮下脂肪は、体の部分により違い、顔は比較的薄いほうです。著しいダイエットをすると、まず顔に表れるわりに 下半身が太いままと言うのは、このためです。
真皮は 表皮の内側にあり、表皮の数倍の厚さを持ち、毛細血管が細胞に水分、酸素、栄養素を運びます。また血管は、外界の温度にあわせて拡張 収縮し 体の温度調節をします。寒いときに顔色が青白くなるのは、この働きによります。汗腺も真皮の中にあり、体内の水分や老廃物を対外に排出し 体温調節をしています。皮脂腺は、肌にとって大切な潤滑油である皮脂を分泌します。皮脂は 汗腺から分泌された汗と乳化し、肌に弱酸性の皮脂膜(アッシドマントル)をつくり、その抗菌力で 外気の影響やバクテリアの侵入から肌を守ります。さらに皮脂分角質の抵抗力を強め 肌の水分蒸発を防ぎます。皮脂には、髪をしっとりさせる力もあります。
B メークアップ 前準備
メークアップを落とす
メークアップアーチストには、化粧を落とすという技術は 大変重要な意味を持ちます。それは、メークアップアーチストという仕事が 個人作業ではなく、共同作業によって 成り立つ事が多いからです。撮影現場を考えて見ましょう。一般的にTV/CM撮影の場合、カメラマン、スタイリスト、モデル、照明、監督、大道具、小道具、製作会社、広告代理店、スポンサー、etc、・・・多くの人間とともに働きます。この事は、当然 時間と費用の制限を受ける事になります。中でも 『ある 決められた時間内にメークアップを終了しなければならない』と言う 時間的制限を受ける事になるからです。化粧の速変、化粧をした後イメージが違う、ちょっとアイメークを変えたい、口紅の色を変えたい等、化粧をスピーディに落とし、決められた時間内にまた仕上げる。この事は、プロのメークアップアーチストとして 最低限 必要な 技術です。また、技術を行なう対象は、モデル、女優、歌手、等 様々なジャンルの職種が存在します。これは、対象者はプロであり 顔は商品の一部と考えなければなりません。メークアップをするうえでおきる、肌に関するトラブルは、絶対に避ける必要があります。同じように、プロがメークアップをする以上、すべての仕事が終了した時点で メークアップを完全に落とし、その後のケアまで考えるのは、当然の事です。
○ クレンジング
ファンデーションは、水で洗顔するだけでは 落とすことが出来ません。効果的にメークを落とすためには、オイルまたは、クリームタイプのクレンジングを使用します。油分の多いほど、汚れが良く落ちるからです。モイスチャー効果のある 洗い流すタイプのクレンジングクリームもあります。
○ 洗顔
洗顔には,顔を目覚めさせ、肌をリフレッシュし、輝きを与える効果があります。洗顔はすべての肌に有益です。毛穴や肌の表面の汚れ 老化角質を取り去って、血色の良い肌が得られます。肌を必要以上に刺激しないためには、弱酸性のクレンジングソープか、皮脂を取り過ぎないリキッドタイプの洗顔料を使用しましょう。
○ クレンジングクリームと洗顔の併用
クレンジングした後、32度ぐらいのぬるま湯を顔全体にかけて、そのまま10秒ほど置くとクレンジングクリームが、お湯で乳化されて 白くはがれてきます(クレンジング剤には、合成界面活性剤が含まれている)。さらにお湯を顔全体にかけて、こすらないように落としていきます。その後、石鹸ベースの洗顔料で洗顔します。
○ クレンジング前の準備
① これから行なう、技術のシミュレーションをする
② 技術シミュレーションの手順に沿って、化粧品・化粧小物の有無を確認する
③ 手・鏡・化粧前が、清潔・整理整頓されているか 確認する
④ ヘアーバンド・タオル・ダッカール等で、髪の毛が邪魔にならないように まとめておく
⑤ 技術に入る前に、合わない化粧品やアレルギー・皮膚疾患の有無を確認する
⑥ コンタクトレンズの使用、ピアスの有無を確認する
⑦ 自身の手を清潔にする
アイメークを落とす
最近 マスカラは、ウォータプルーフタイプの物が 多く市販されています。 アイメークを落とすためには、専用のマスカラリムーバーを使用しなければ、上手く落とすことができず、色々なトラブルを起こす原因になります。このため、マスカラの持つ特長を良く理解し、使用法に十分注意が必要です。最悪 目にリムーバーなどが入っても 問題が少ない、専用のアイメークアップリムーバーを使用し アイメークアップを落とします。
唇のメークを落とす
口紅は、色素の強い物、わざと落ちにくく作ってある物、無理に落とすと肌荒れしやすい物、と色々なタイプの物があり、専用のリップリムーバーを使用する方が 短時間でスムーズにできます。
技術を行なう対象は、モデル、女優、歌手等、様々なジャンルの職種が存在します。その対象者は、毎日のように 多くのメークアップアーチストに 顔を触られていています。このような基礎的技術こそ、上手 下手といった差がわかり、それをもとに メークアップアーチストの技量が判断されます。対象者もプロであるということを、忘れてはいけません。
アイメーク、アイブロー、口紅は、それぞれ部分的に落とす訓練が必要です。特にアイメークは、マスカラだけを落とす、アイシャドーだけを落とす、アイライナーだけを落とすなど 練習を繰り返します。
○ クレンジングの手順
「口のメークは専門のリムーバーで既に落としている事」
クレンジングクリームを適量、片方の手の甲に取る、もう一方の手の 人差し指と中指で混ぜ合わせ 異物の混入やクリームの状態を確認し、クリームの状態を柔らかくなめらかにする。
おでこ、両頬、顎に適量置いていく。
①から人差し指・中指・薬指で上下に楕円形を描きながら左右移動する。
②、③、中指を使いアイブローで描かれた眉、整毛剤を毛根から浮き出させる様に 丁寧に小さな円を描きながら 左右に移動する。
④、中指を鼻筋に沿って上下する
⑤、人差し指の腹で、鼻と唇の間全体を左右に移動する。
⑥、小鼻の周りを、中指または 人差し指で丁寧にマッサージするように上下に動かし、ファンデーションや皮脂分を浮き出させる。
⑦、中指から入り 順次指を加えながら 耳の中ほどまで、頬・顎・頬と反対側の耳中ほどまで、手のひら全体で移動する。
⑧は、⑥と同じく 対称の動きをする。
⑨は、⑦と対称の動きをする。
⑩、手のひら全体で 上から下へ丁寧に動かし、ファンデーションや皮脂分を浮き出させる。
①~⑩の手順で、ティッシュペーパーで、ふき取る。
①~⑩の手順で、化粧水でふき取るか、または洗顔する。
メークアップの下地準備
メークアップアーチストが メークアップを始める場合、だいたい化粧水から始めるのが普通です。これは、地肌を清潔にして、コンディションを 整える事から始めるためです。地肌を整地すると言った意味合いで 化粧水類、下地クリーム、乳液類による技術をトナーといい、これらの技術を行なうことを トーニングといいます。
まず、メーク技術に入る前に、肌の状態を確かめながら、問診により 過去に化粧品によるトラブルが有ったかどうか、また 現在 傷やアレルギーやその他 肌のトラブルを抱えていないか、コンタクトレンズ・ピアス等使用しているか、これらを確認して 充分に対処法方考えなければなりません。次に これからメークアップを行なう メークアップアーチストの手を、メークアップを行なう対象者の見ている前で 洗うか 化粧水でよくふき取り、清潔な状態でメークアップを始めるということを、認識してもらう事が大切です。このように事前に情報を得、準備を整えてから化粧水を使用して メークアップ技術に入ります。
化粧水を使用する本来の目的は、肌の汚れを取り除き、肌のコンディションバランスを整えたり,肌を引きしめたりといった効果にありますが、ここではもう一つ 大事な要素があります。それは メークアップアーチストが、始めてメークアップ対象者の 肌に触ると言う事です。メークアップは、人間どうしが認識し、意識しあう事から生まれてくるものです。これから行なう 一連のメーク手順をスムーズに行なうために、確りした準備、対象者の肌の予備知識、メークアップ対象者との コミュニケーションが大切です。
化粧水
化粧水の中に、ハーブや アルコール分を含まないものは、ほとんどの肌に使用できます。また、良質のオイルと自然柔軟剤を含んだ物は、ドライスキンやセンシティブスキンに 潤いを与え鎮静させます。収斂性のある アルコールを含んだ化粧水は、オイリー・コンビネーションスキンの人の、Tゾーンなど 一時的に過剰な皮脂を 押さえる目的で使用します。また、目の周りには、皮脂腺がほとんどありません。乾きやすく刺激に弱いため できるだけマイルドな化粧水を使用しましょう。健康的な皮膚の水分量は、10から30%の範囲に保たれ、しっとりとした みずみずしさを感じますが、皮膚が乾燥して10%以下になると、乾燥肌や小皺等、様々なトラブルが起こってきます。皮脂膜は、年齢が進むと水分と同時に 皮脂の分泌が少なくなります。また、温度・湿度などの影響で 状態は変化しますが、中でも影響されるのは、冷暖房です。クーラー・ヒーターは、室内の空気を乾燥させ、皮脂膜から水分を奪っていきます。粉の多いメーク用品の使用も 皮脂膜の形成が充分に出来なくなります。皮脂膜を保護するには、洗顔時 皮脂を洗い流しすぎない事が大切ですが、化粧水による水分補給や 良質のオイルと自然柔軟剤を含んだ物による水分蒸発の防止など コンディションバランスをより良い状態に保つ事が大切です。
時間的制約の中で 肌をリフレッシュさせる1つの方法として ミネラルウォータのスプレーがあります。鉱物分の低いものを 選び使用します。
スキンタイプによる化粧水選び
スキンタイプ | オイリー |
ノーマル |
ドライ |
センシティブ |
化粧水タイプ |
皮脂分を押さえアルコールを 多く含んだ化粧水 |
適度な収斂作用があり マイルドな物で肌を柔軟にし 潤いを与える化粧水 |
アルコール分が少なくしっとりタイプの化粧水で水分補給をする |
香料や色素、アルコールを含まない化粧で水分補給をする |
○ 化粧水の技術手順
① これから行なう 技術のシミュレーションをする
② 技術シミュレーションの手順に沿って、化粧品・化粧小物の有無を確認する
③ 手・鏡・化粧前が、清潔・整理整頓されているか確認する
④ ヘアーバンド・タオル・ダッカール等で、髪の毛が邪魔にならないようにまとめておく
⑤ 技術に入る前に、合わない化粧品やアレルギー・皮膚疾患の 有無を確認する
⑥ コンタクトレンズの使用、ピアスの有無を確認する
⑦ 自身の手を清潔にする
技術手順
コットンに たっぷりと化粧水を含ませる。
額 ①より皮脂や汚れを ふき取るように、頭髪の生え際まで。
②、③は 眉の毛根付近の皮脂や汚れを良く落とす。
④~⑨は 敏感な部分なので、目を閉じた状態で、必要に応じて②、③を上方向へ軽く摘み上げ、コットンを小さく持ち直し 力の入れ具合に十分注意し(④、⑤、⑦、⑧は やや強め ⑥、⑨は特にソフトに)上まつ毛の 毛根付近の 皮脂や汚れを良く落とす。
⑩、⑪は 目を開け目線を上げた状態で、 下まつ毛、下まつ毛の 毛根付近の皮脂や汚れを良く落とす。
⑫、⑬、⑯は 特に皮脂分泌の多い部分なので確りと落とす。
新しいコットンに化粧水を含ませ、全体に充分なパッティングをします。パッティングは、風を呼び込み、皮膚の表面を冷やし、毛穴を引きしめる効果があります。特に額、鼻、口の周辺を念入りに。
メークアップベース
○ 下地クリーム
下地クリームの目的として、保護膜効果、整地効果、接着効果が上げられます。ファンデーションは、色素と金属、油等から出来ていて、これらの刺激性の成分が 肌に直接触れないように 保護膜効果として下地クリームを使用しますが、同時に接着効果を得る為に 下地クリームに合成界面活性剤が使用されている物があります。これらの物は,いわゆるファンデーションのノリも良く、化粧崩れが少ない効果が得られます。合成界面活性剤がファンデーションの油を溶かし 下地クリームと交じり合う事により接着効果が得られるのです。反面、保護膜効果が押さえられ 下地クリームとファンデーションが、時間とともに交じり合い 毛穴から表皮へと染み込んで、しみや黒ずみの原因に成ると言われてきました。しかし、最近では、下地クリームの研究開発により、これらの欠点が補われ、肌の保湿効果や、化粧の持続性、透明感の向上など、従来の下地クリームに求められていた特長をさらに推し進めたものが開発されています。
トナー技術の下地クリーム選択は、メークアップが 時間的にどのくらい持つ必要があるか、どんな場所、状態に置かれるのか、例えば夏の海辺や、冬山のスキー場、スタジオの中など、目的と効果を充分に考慮して選びます。合成界面活性剤の使用されたものを使うときは、クレンジングのケアまで確りとする事が大切です。
○ モイスチャーライザー
モイスチャーライザーの目的は、表皮に水分を与え 細かいシワを回復させ、油分を与えて肌の水分が逃げないように膜をつくり ツヤのあるみずみずしい肌に整える事です。肌をなめらかに柔軟にするので、メークのノリを良くする為にも大切です。モイスチャーライザーは、肌の表皮に近い油分と水分を含んでおり、油分が多いとクリーム状に 水分が多いと 乳液状になります。多くのバイオ成分を含んだ乳液は、体の生体成分と 同じようなものが含まれています。コラーゲンやエラスチンといったタンパク質は 肌の弾力を保つので 多くのクリームに配合されていますが、これらの分子が 本当に肌に浸透するかは議論の多い所です。ほかの有効成分もそれぞれ収斂効果や柔軟効果を はじめ、NMF(Natural Moisturizing Factor)機能を助けたり、外気から 水分を吸収して 肌をしっとりさせたりなど様々ありますが、肌自身が外部からどれくらい栄養分を 吸収できるのか、まだ詳しく解明されていないというのが現状です。肌は酸素や、栄養分など 血管を通して吸収しています。クリ-ムの効能が正しいとしても、そのほとんどが一時的なもので、製品を使用しなくなると 元の状態に戻るものが多いようです。肌のタイプによる モイスチャーライザーの選び方として、モイスチャーライザーがすぐになじみ、しっとりしたツヤの肌が数時間続くかどうかが ポイントになります。ファンデーションのノリを悪くしてしまったり、すぐに崩れてしまったりする物は、避けなければ成りません。肌に心地よい感触であるという事も大切で、べとつき感があり 重く感じるような物も適当ではなく、また 逆に肌がつっぱる様でも使用を 避けなければなりません。
○ ナイトクリーム
ナイトクリームは、昼間使用するモイスチャーライザーより 重く濃くつくられています。夜の間、肌の水分が失われるのを防ぐとともに 睡眠中に栄養を補給して 回復を促す事を目的につくられているからです。特にドライスキンの人は、肌に水分が保たれ 肌を柔らかくするため、古い角質を浮き上がらせて 翌朝の洗顔で取り去る事が出来ます。オイリースキンの人は、自然の皮脂分泌を妨げないようなものを 選ぶ事が大切です。
○ アイクリーム
目の周りの肌は、乾き易く筋肉の動きが激しい為、顔の中でも しわの出来やすい部分です。皮膚が薄いため 濃厚なクリームには耐えられません。アイクリームのほとんどは、目の周りの ごく薄い皮膚に 負担をかけないように つくられているようです。目がはれぼったくなった場合には、冷却作用のあるアイクリームを使用します。
○ 首用のクリーム
首は特別な保護が必要です。肌は、いつも乾燥ぎみで 見た目の年齢が出やすい場所です。特に首のサイドの部分は紫外線にさらされ易く、フレグランスを使用する人などは、フレグランスに含まれるアルコール分や香料が 紫外線の影響を増大させる事があります。一般的に首のためのクリームは 皮脂の不足を補うもので、油分の含有度が高くなっています。ただ、首の筋やシワに油分が残ってしまうものは避けましょう。日中外用のメークでは、日焼け止め効果のあるものを使用します。
スキンタイプによるモイスチャーライザー選び
スキンタイプ | オイリー |
ノーマル |
ドライ |
センシティブ |
モイスチャー |
過剰な脂分とのバランスを取るため、水分ベースのさっぱりとしたモイスチャーライザー |
ノーマルタイプのモイスチャーライザーを |
しっとりとした乳液で |
無香料、低アレルギーで油分の強すぎない |